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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-141
「・・夏樹。」
「・・・。」
(千波もまた、夏樹に起きた異変に気付いていた。)
(夏樹は、傷付き。 青葉を失った。)
(そして、最も大事なものを、もう一つ。)
(失っていた。)
***
「・・。」
(千波は、誰よりも、そのことを感じていた。)
(夏樹に起こった変化がなければ、夏樹の心身と強く繋がっている、
千波が、ダメージを受けずに居られるはずは無い。)
「何が起こったの・・。」
(夏樹の双子の姉、千波は。 能力者ではない、普通の人間だった。)
(だが、夏樹を想う千波の心は、
いつも夏樹と繋がり。 夏樹の状態を、自らの心と身体に
感じ取っていた。)
「帰って来て、良かった。」
「だけど・・。」
(千波は、瞬間立ち止まり、自身の胸元に触れた。)
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