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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-142
(いつも夏樹から流れ出ていた、温かな力がそこには無い。)
(千波は、胸の奥で。 夏樹の鼓動を感じた。)
(夏樹は、生きている。)
(だが、あふれていた夏樹の、強い力が。
千波のもとに、届かなくなっていた。)
「千波さま・・。」
(メイドのメイが、心配そうに、千波を覗き込んだ。)
「・・うん。」
「わたしたちに、出来ることをしよう。」
「メイちゃん。」
(千波は笑顔で頷き。 メイに指示し、医務室の彩を手伝った。)
「はい!」
***
(静乃は、紫苑の背中を、優しく。
さすり続けた。)
(紫苑は、夏樹を案じ。 震えた。)
「・・・っ・・っ。」
***
ゴオオッ!
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