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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-145


(夏樹を包んでいた気配だ。)

(恐ろしい波動が、消えた。)

(夏樹の胸は鼓動していた。)

(それでも、紫苑は。 何かが、変わってしまったのを感じた。)

(不安と、恐ろしさに。
紫苑は、夏樹を抱き締めていた。)

(離してはいけない。)

(そう感じた。)

『だめ・・。』

『だめ・・。』

『夏樹くん・・!』

***

***

リーンッ・・

(誰かが、主人を呼んでいる。)

(ベッドに眠っていた菖蒲は。
紫苑が夏樹を呼ぶ声を、聞いたような気がした。)

「・・・。」

(菖蒲は、意識を取り戻し。
目を開いた。 ぼんやりと、天井が見える。)



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