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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-147


(滝川は、にやりと微笑み。
両手を組んだ。)

***

ガシャーンッ

(石垣は、執務室で報告を受け。)

(側近のもたらした、報告書を。 机上の様々な物と一緒に、
投げ飛ばした。)

「・・奴に。」

「“鍵”を預けたのが、間違いであったのか。」

(虚ろな、石垣の目は。 自嘲気味に笑った。)

「・・腹心を。」

「役目に充てていると思っていた。」

(石垣は両手で拳を作り。 机の上を、思い切り殴った。)

ドンッ ドンッドンッ

「何たる失態・・。 何たる・・!」

(傷付く石垣の手を案じ、側近が、石垣に手を差し伸べた。)

「先生・・。」

ガッ!

「触れるな!!」



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