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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-148


『!』

(石垣の目は、爛々と光り。 赤く、血の様な色が滲んでいた。)

「ひっ。」

(側近は、思わずのけ反り。 石垣の怒りを避けた。)

「滝川〜〜〜!」

「たきがわ〜〜〜〜!!!!」

(石垣の怒りは、爆発し。 よろめき、机を後にすると、
執務室から飛び出した。)

「先生!!」

(側近は、追い駆けた。)

『先生は。 狂っている。』

(側近の胸は詰まり。 涙が込み上げた。)

『こんなはずではなかった。 どこで道を間違えたのか・・。』

『人々の羨望を受け。 壇上に立つ、先生を。

見続けて来た。』

(側近は、今や細く小さくさえ感じる、石垣の背中を。
追い駆けた。)

『かつての先生は、お嬢様のために、生きていた。』

(フェルゼンの呪いにより、侵食された石垣の心は、



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