HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-149


欲望と、憎しみを増殖させ。 娘、青葉の記憶を消し去っていた。)

「滝川・・!」

ガタンッ

(控室の扉を開き。 石垣が雪崩れ込んだ。)

「先生。」

「これはこれは。」

「どうなさいました?」

(滝川は、両手を組んだまま。
至って冷静に。 石垣を迎え入れた。)

「貴様。 ここで何をしている。」

(滝川は、一瞬、驚いて見せた。)

「何を?」

(滝川は、両手を開き。
その場に居る、自身と志を同じにする、大臣達と
顔を見合わせた。)

「先生のご命令通り。」

「外敵である能力者の、侵入を防いでいるのです。」

(滝川は、石垣と対照的に、
自信に満ち。 開いた両腕に、強い覇気を纏い。
輝き見開く瞳に。 強いエネルギーが宿っていた。)

「先生も、追手を差し向けられたようで。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ