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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-151


(だが、沙羅に玉砕された。)

「まさか! 少々、翼を知る者と、

縁がありましたゆえ。」

「先生の為を思い、協力を依頼したまでです。」

(滝川は、謙遜する様子を見せ、
石垣の、憤怒の表情に、全く動じず、機嫌良さそうに。
笑っていた。)

「能力者の王は、

人間に手出しすることを、嫌うとか。」

「それは、真の様だ。」

(滝川は、石垣に感心する素振りで。
続けた。)

「先生が、“特殊部隊”を動かさなかったのは。

彼等が、すでに、人間では無い。」

「だからでしょうね?」

(滝川は笑った。)

「それよりは、人間を、差し向けた方が良いと。」

(滝川は、居住まいを正し。
石垣の、赤く滲み。 虚ろな瞳を覗き込んだ。)

「それとも、あれを動かしているのは、



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