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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-155


(あざ笑う大臣たちの間で、
追い付いた側近が、石垣の身体を、背中から抱き留めた。)

「先生!」

(石垣は、灰色の髪を乱し。
周囲の視線も気にせず。 側近を薙ぎ払い、
滝川に、接近した。)

ガタタッ

「貴様・・っ!」

(石垣は、滝川の前に躍り出ると、
滝川の胸ぐらを掴んだ。)

「・・、私は先生の味方ですよ?」

(滝川は、笑みを絶やさぬまま、
迫り来る石垣を見上げた。)

「なんだと・・!」

(滝川を掴む、石垣の手は、怒りに震えた。)

「まさか、地下牢に。」

「“障壁”に何か問題でも?」

「先生の創られた、“障壁”の牢獄は、完璧だと聞きました。」

「そして今、先生の前途を脅かす。

国外の、能力者が、我が国に迫ろうとしています。」



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