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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-157


ドンッ!

(石垣は、叫びながら、滝川の前にある机を激しく叩いた。)

「先生!」

(側近は、石垣を止めたかった。
醜態をさらすようなものだ。)

『まさか、牢を破られるとは、思いもしなかった。』

『自らの、腹心を。

守りに当てているはずだった。』

「滝川・・!」

「寝返ったのか・・!?

あれだけ目を掛けてやった恩を忘れたのか?」

『無名の新人であった奴を。

あそこまで育て上げた。』

『その恩を・・忘れたのか・・!?』

『・・なんという奴だ・・。』

(石垣は、怒りと後悔、憎しみに
目まいした。)

「先生のおっしゃる通り。 “障壁”は破られた。

先生に命じられた通り、“鍵”の“無効化”には成功しました。」



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