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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-158


(滝川は、冷静に、前を見ていた。)

「ただの人間にしてしまえば。」

「“鍵”を奪うことは、容易いでしょう。」

(石垣は、怒りに震え、その場に腰を落とした。)

(滝川は、表面上。 石垣の味方であることを崩さず。
石垣を裏切ったことを認めなかった。)

(側近は、小さく感じる石垣の背中を、
そっと支えた。)

(対する滝川は、自信に満ち。
味方する大臣たちに囲まれ。 悠々と笑みを浮かべていた。)

***

『体のいい言葉を並べおって。

私が騙されると思うか!』

『反逆者ども!』

(石垣の心は、怒りに満ちた。)

(その想いは深く、石垣に“呪い”を浸透させる。)

(滝川の背後に。 聖の気配を感じた。)

『誰が味方か・・。 敵か・・?』

(石垣の気づかぬうちに。)



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