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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-164


「お引き取りを。」

(反町の紫色の瞳が、鋭く光る。)

ガチャッ・・

「おいおい、松。」

「“横濱”殿の名を、知りながら。」

「礼儀が、なっちゃいねー。」

(松と呼ばれた男の背後から。
男の主人と思われる、人物が、黒い車から降り立った。)

ズッ

(現れたのは、貫禄のある、和服に身を包む、
年配の男だった。)

(髭を生やした、その男は。
草履で、照り付けるコンクリートの上に、
降り立つと。)

「手下の無礼を、許してくだせー。」

「こいつは、“交渉”ってもんを、

知らねーもんでな。」

(杖を突き、足を引きずりながら、
反町の前に、進み出た。)

『!』

(和服の男が、豹変したのは、一瞬の出来事だった。)



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