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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-165


(男の持つ、風格に。
反町は、神経を研ぎ澄ませていた。)

(男が降り立った途端。
松と呼ばれた男と、背後に控える部下たちは、
和服の男に道を開け。)

(深々とお辞儀した。)

(だが、和服の男は、
笑みさえ浮かべ、穏やかに反町に近づいて来た。)

ガチャッ

「“横濱”殿。」

「ご子息に、お目に掛かれるとは、

有難き幸せ。」

「恐悦至極に存じます。」

ガチリ

(和服の男が、車から降り立ち。
反町に近づくと同時に。 湊吾は、
車外に出て。 反町の隣に立って居た。)

「赤城殿とお見受け致します。」

(湊吾は、和服の男に。
頭を軽く下げたが。 目線は、赤城から一切離さなかった。)

「あっはっはっ!! さすがは“横濱”殿!」



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