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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-166


「丸腰で、降り立つとは、度胸がおありだ。」

(和服の穏やかな老人に見えた、赤城は。
足の不自由を、感じさせない動きで。)

(あっという間に、反町の間合いに入り。)

(瞬間まで、殺気を感じさせることなく。)

(一瞬の内に、反町のこめかみに向かい。
拳銃を引き抜いていた。)

『湊吾様!』

(赤城は、次の瞬間。
銃口を、湊吾の顔に向けた。)

「これが、赤城殿の答えでよろしいか?」

(湊吾は、表情を変えず。
銃口を向けたままの、赤城を睨んだ。)

「争いは。」

「“横濱”の本意ではない。」

「身を引くのが、あなたのためだ。」

(湊吾は警告し。
反町に、待つように。 視線で告げた。)

「もう一度。 お考えを。」

「ここにいる、部下たちを。」

「守りたいのであれば。」



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