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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-167


(赤城は、憎しみを込め、
湊吾を睨んだ。)

『若造が・・!』

(長年組織をまとめて来た自分が、
馬鹿にされているようだ。)

(たった二人の、若造に。 赤城は、そう思った。
背後には、自身の部下が、山と控えている。)

(そして、拳銃を向けているにも関わらず。
一切怯まない。)

(追い詰めているはずの、赤城が。
なぜか焦り。)

(銃を握る手が、僅かに震えた。)

『・・何だ・・?』

『この気配は・・!』

(赤城は、湊吾を見つめ、
辺りの気配を探った。)

(湊吾の灰色の瞳は。
緑色の輝きを放ち。 余裕さえ見せる。)

『・・“横濱”め!』

『馬鹿にしおって・・!』

(赤城は、長年追い求めても、
崩すことの出来ない、先代の、“横濱”の存在を。 湊吾に見た。)



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