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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-168


(だが、それだけではない。)

(赤城は、唾を飲み込んだ。)

「・・“横濱”殿。」

「その言葉、そっくりお返ししよう。」

「貴殿には、“これ”が見えないようで。」

(赤城は、自身を奮い起こし。
拳銃を湊吾に見せつけ、威嚇した。)

「出ろ! おめーら!」

「たった二人に、ビビってんじゃねー!」

「“荷物”を奪え!!」

(赤城は、湊吾の覇気を振り払うように、
声を張り上げ。 着物の裾を、靡かせ。
湊吾の髪に、触れる程、
拳銃を突き付けた。)

ガチャッ

(礼儀をかなぐり捨て、本性を見せた赤城に、
湊吾の瞳が、鋭く光り。)

(表情が変わった。)

(同時に反町も、
赤城と、周囲を取り囲む、
赤城の部下たちに、視線を合わせ。)



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