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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-169


(攻撃の体勢へと、転じた。)

「騒がしいのう。」

(湊吾と反町が、
守りから反撃へ、構えると同時に。)

(後部座席から、沙羅が。
二人の後ろに降り立った。)

「「おおお!」」

「何ていう、美しさだ!」

「おめーら!」

「これが、獲物だ!」

(赤城と部下たちは、沙羅の美しさに
目を見開いた。)

(赤城は、現れた沙羅に、
銃口を向けた。)

「ここまでだ。」

(赤城は、しわの顔に、
勝利の笑みを浮かべた。)

「終わりだ。」

「後ろを見やがれ。」

(赤城の濁る目が、湊吾の肩越しに。
背後で、湊吾の退路を断っていた、
無数の車を、指示した。)



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