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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-181
トッ
(車から降り立ったのは、
翼よりも若い、青年だった。)
「横濱様が、沙羅様を、
お連れ下さいました。」
(翼は、礼を尽くし。 灰慈に、沙羅を、湊吾を引き合わせた。)
「遠い処。」
「ようこそ。」
(灰慈と呼ばれた青年は、若く。
湊吾と同じ位の年齢に見えた。)
「邪魔が入り、申し訳ない。」
「翼が、手を尽くしてくれましたが。」
「お怪我は。」
(灰慈は、これ程の巨大な組織を、
まとめているとは、思えない程に。)
(若く、物静かな人物だった。)
「いいえ。」
「おかげ様で。」
「無事、境界を越えました。」
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