HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-184
「旦那様の、お知り合いですね。」
(反町は、湊吾に視線を投げた。)
「ああ。」
「翼は、もともと警察官だが。」
「“風見市”をテリトリーとする。
灰慈殿の組織へ。 スパイとして潜入した。」
「だが、灰慈殿と、意気投合。」
「以来、警察官と組織と。」
「ダブルワークだ。」
(湊吾は、茶目っ気たっぷりに。
反町にウインクして見せた。)
「・・・。」
「ダブルワーク。」
「それは、可能なのでしょうか?」
(命懸けとなる、双方の、
危うい立場の仕事に。)
(反町は、素朴な疑問を抱いた。)
『・・灰慈殿が、翼を気に入っている。』
(湊吾は、反町に、そっと囁いた。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』