HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-189
(湖の上に浮かぶ、古城の窓に。)
(雨が、打ち付ける。)
「致し方なかった。」
(時を刻む、皺の頬に。
豊かな、赤い髭を蓄え。)
(世界の能力者の王は。 憂いた。)
「むしろ、あの力で抑え込まねば。
被害は、拡大していただろう。」
「“鍵”の力は、強大。」
「“障壁”・・。」
「あれは、能力者の力を封じ込める物。」
「手荒くもあったが、あのくらいでなければ、
抑えられん。」
「酷なことをした。」
(王は、聖と共に、
“障壁”の存在を知っていたが。
聖と同様に。 “障壁”を使うことを、認めていた。)
『能力者とは、
自らの属する力に。』
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』