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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-190


『生かされておる。』

『力を失うことは。』

『半身を失うも同じ。』

ポッ・・ ポッ・・

(雨音が、静かに響いた。)

「辛かろう。」

(王の、世界を見渡す灰色の瞳が。
世界を越えた向こう。)

(遠い、夏樹の存在を捉え。)

(胸を痛めた。)

***

***

サーッ

(幾日か過ぎ。)

(第二国の街には、小雨が降っていた。)

ポッ ポッ

「これと、これをください。」

「それから、白いバラを。」

(千波は、まだ残る、空間通路を渡り。 お気に入りの花屋のショーケースを覗いた。)



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