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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-19
(リザの警告は、フェルゼンに届かず。)
(リザの亡骸の上で、目を閉じるフェルゼンは。
心の中で、幻影を見ていた。)
『誰かの苦しみは、あなたを滅ぼす。
フェルゼン。』
『それが、呪いよ。』
(囁くリザは、そっと。 フェルゼンの傍らを去った。)
(亡骸に降り注ぐ“闇”は、リザが、自らを滅ぼすために、
かけた呪いだ。)
(呪いは、決して消える事無く。 “闇の樹”の末裔を。
必ず滅ぼす。)
(リザに残る心は、自らの願いを変えることが出来ずに。
ルイへの想いを絶ち切れずに。)
(“闇の樹”と、国を滅ぼそうとしていることに。
苦しんでいた。)
(それでも、ルイへの愛を止めることが出来ない。)
(自らを、魂から。 根絶するほか、断ち切る術を知らなかった。)
***
(フェルゼンの、幻影の中に。)
(花弁が舞っていた。)
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