HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-196


(空間通路を抜け。
屋敷に降り立ったが。 そこも同じく、霧雨に包まれた。)

「ええ。」

(千波は、すぐに。 夏樹の部屋を目指した。)

「生けて来るね。」

(花束を手に、千波は玄関を上がった。)

「はい。」

(菖蒲は、朝の支度を手伝うため、
リビングを片付けに向かった。)

「日に日に良くなるはずです。」

「必ず。」

(菖蒲は、ダイニングのテーブルを整えながら、
そっと、白手袋の手で、胸元に触れた。)

(傷はまだ痛み、包帯を取ることは出来なかったが。
菖蒲は、すでに燕尾服に袖を通していた。)

(胸元には、FOT No.0-3のピンバッジが留められている。)

「もうすぐ、皆様。」

「目覚めることでしょう。」

(菖蒲はテーブルを拭き。 食器類をセットした。)

(キッチンからは、千波とメイが作った朝食の香りが、漂う。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ