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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-199


(夏樹の髪は、僅かな風に揺れ。)

(夏樹の瞼が、静かに、開いた。)

「・・千波ちゃん・・。」

(微かに聞こえた声に。 千波は、窓辺から振り返った。)

「はっ!」

「夏樹!」

「気がついたのね!」

「良かった・・!」

(千波は、夏樹に駆け寄り、涙を浮かべた。)

「今、彩さんを呼んで来るわ。」

「夏樹!」

「ああっ! 良かった!!」

(千波は、夏樹の傷に響かぬよう、堪えながらも。
ベッド越しに、夏樹を抱き締めた。)

ダッ

「彩さん!」

「菖蒲くんっ!!」

(千波は即座に、部屋を飛び出した。)



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