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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-204


トッ トッ・・

(静かに、青葉の寝台に近づいた。)

(明るくランプに照らされ。)

(閉ざされた室内でも、眩い光に包まれていた。)

(窓は無く、風を通さない。)

(静かな、室内は。 光にあふれていた。)

(青葉を保つため、室内は、冷たい。)

(夏樹の心と身体は、光と、冷たい空気に、
引き締まる思いがした。)

「はぁ・・。」

(青葉は、安らかに眠っている。)

(閉じた目に、穏やかに笑みさえ浮かべていた。)

(千波が、化粧を施し。
青葉の頬は、赤みを差している。)

「・・・っ。」

(夏樹は、青葉に近づき。
傍らの椅子に、腰を掛け。)

(間近に、眠る、青葉の顔を見た。)

「・・ああ。」



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