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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-207
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(暑さが、僅かに和らぐ、夕刻。)
(皆は、屋敷の庭に集った。)
ジーッ ジージーッ
(セミの鳴き声が聞こえる。)
「青葉さんは、庭が好きだったわ。」
(彩は、青葉を偲び、皆に告げた。)
「今は、石垣首相は、記憶を失っている。」
「いつか、記憶が戻り。」
「自分を取り戻し。」
「青葉さんを、迎えに来ることが出来るまでは、
ここで。」
「青葉さんをお預かりしましょう。」
(青葉の遺骨は、屋敷の、緑豊かな木の根元に。
安置されることになった。)
(見守る皆の上に、
屋敷の豊かな緑の木々が。 夏の熱気を纏い。
爽やかに、風を送る。)
(深い紺色の髪を、風が撫で。)
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