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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-209


(紫苑は、夏樹の傍らで、涙し。
菖蒲は、巨木に、礼をした。)

(青葉の霊は、艶を通し、
翡翠家で丁重に、弔われた。)

「冥福を祈る。」

(晃は、皆の中央で。
木々を見上げた。)

ザワザワザワッ・・

(木々が応え。 風が、皆を包む。)

「晃。」

(皆を見つめる、晃の傍に、
時雨が寄り添った。)

「感傷はいらない。

お前が、司令官だろう?」

「前へ、進め。

守るべきものがある。」

(晃は頷き。
皆の顔を見た。)

「ああ。」

「行こう。」



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