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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-210


(聖が去っても、なお。
FOTの屋敷は、強固な結界に、
守られていた。)

(晃は、それが何を意味するのか。
心の奥底で感じ。)

(聖を想った。)

(夕闇に包まれる。 庭に立ち。)

(晃、剛、白、光、葵、艶、数馬。

時雨、メイ、千波、菖蒲。

夏樹、紫苑。)

(佐織、チイ、駆、春人。)

(ソラ、ミイ、ピュア。)

(皆が、同じ思いを抱え。
一つの景色を見ていた。)

***

(夏の熱気を残す風が。
辺りに流れ。)

(日が落ちる。)

(幾分、日中よりも、過ごしやすくなる時間に。
菖蒲は、目を細めた。)

(傷は、癒えない。)



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