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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-218


(失う痛みは、夏樹を大きく揺り動かした。)

「僕は・・。」

(どこにも行っていないと分かっても。
魂は、傍にあると分かっても。)

(想いが込み上げた。)

ガサッ

「夏樹様。」

(夏樹は、驚き。
立ち上がった。)

(様々な想いが込み上げ、
もう堪えることは、出来ない。)

(一人きりなら、このまま。)

(このまま。)

(抑えていられるかもしれないと、
思っていた。)

(夏樹を心配し。
菖蒲は、夏樹を見に来た。)

(今ならば、二人しか居ない。)

(菖蒲は、ゆっくりと、夏樹に近づき。)

(いつもの、黒縁眼鏡の奥で、
柔らかに微笑んだ。)



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