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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-219
トッ トッ・・
(夏樹も、菖蒲に近づいた。)
「はっ はっ・・。」
(夏樹は、軽く笑い。
肩を揺らした。)
「望んでいたことだった。」
(夏樹は、堪えていた想いを、
吐き出した。)
「だけど、こんな形じゃない。」
(何を言っているのか、
菖蒲には分かった。)
(菖蒲は、静かに頷き。)
(二人は、青葉の見守る、
巨木の下に立った。)
サァァァァーッ
(風が、菖蒲の、一つに縛った後ろ髪を揺らす。)
(深い紺色の髪を撫で、夏樹は、風を感じた。)
(だが、その表情は苦し気に、
首を振った。)
「出来ることが、あったはずだ。」
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