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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-220


(菖蒲は、涙ぐみ。
頷いた。)

「・・はい。」

(紺色から、ピンク色に変わる、
朝の空が、二人を包み込む。)

「もっと、出来たはずだ。」

「もっと。」

(夏樹は、後悔していたわけではなかった。
だが、青葉のために、FOTのために。)

(未来も戦うと、誓っていた。)

(その願いは、絶たれたと。
夏樹は思った。)

「その資格が無いと、いうことか。」

(夏樹は、苦し気に、菖蒲に告げた。)

「ずっと、願っていたことだった。」

「普通に、生きられたらと。」

「だけど。」

「・・・、“鍵”が力を無くせば。」

「“闇化”は防げるだろうか。」

「・・いや、フェルゼンは、自由に“闇化”出来るようになった。」



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