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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-221
(菖蒲は頷いた。)
「・・はい。」
(夏樹は、菖蒲の燕尾服の肩に。
そっと、顔を埋めた。)
「もっと、出来ることがあるはずだ。」
「もっと!」
(夏樹は、青葉と引き換えに、
自分が願いを。 夢を叶えたのではないかという、
想いを捨てられなかった。)
「青葉や、皆のために。」
「出来るはずだ。」
(夏樹は、傷付き、包帯の巻かれた。
両腕で、燕尾服の菖蒲の背中に。)
(力いっぱいしがみ付いた。)
「ああっ!」
「あああっ!」
(夏樹は、堪えられず、声を上げて泣いた。)
『願いを叶えるのは、
青葉のはずだった。』
『自分ではない。』
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