HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-28
(手にした白檀の扇子から、漂う香りに。
結われた長い黒髪。 前を横切り、車に乗り込む
彼女の美しい髪が、目の前を過ぎる。)
(天女の様に舞う衣に。 美しい足が覗き、
満足そうに、車内に腰を下ろすと。)
(魅惑的な瞳で、湊吾を見上げた。)
『これは大変な、“荷物”を預かったものだ。』
(整うスーツに身を包む。 湊吾は、深呼吸し。
ホテル・グランド・ベイの高層階へと反射する。
眩い光と青空を一瞬見上げ。)
(車のドアを閉じた。)
バタンッ
「頼むぞ。 反町。」
(傍らに控える、長身の従者に向かい。 湊吾は合図を送った。)
「はい。 畏まりました。 湊吾様。」
(反町は、周囲に不審な者が居ないか、意識を向けていた。)
(隣国、第一国の、能力者の女王“沙羅”を車に乗せると、
湊吾は従者と計画の、最後の確認を手短に行った。)
(失敗は、許されない。)
(間違えば、横濱商会の名に傷が付く。)
(そればかりではない、国の内外。 警察や公安。
裏社会の者達。 多くの者に影響を与える。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
