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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-30


「行って参ります。」

(続いて、湊吾が、ドアを開き。 助手席に乗り込んだ。)

(横濱の運転手が、落ち着いた様子で、運転席でハンドルを握っている。)

「案ずるな。 無憂。」

(沙羅は窓を開き。 ドアの外で、不安気に見送る、無憂に笑いかけた。)

「道を通せば、すぐにお前を呼び寄せる。」

「わらわの事は、大事無い。」

(沙羅は、隣に座る従者と、
助手席に座る、湊吾を示した。)

「この者たちが居る。」

(沙羅の笑顔に反して。 反町と、湊吾の表情は、真剣だった。)

「滝川に、よろしく申し伝えよ。」

「さて、どのように。 石垣に歓迎されるか、

楽しみにしておる。」

「くっくっくっ。」

(無憂は深くお辞儀した。)

「はい。 畏まりました。」

「行ってらっしゃいませ。」

(車はゆっくりと、ホテルから走り出した。)



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