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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-33


(車は動き出し、同時に。
もう一つの依頼も。 動き出した。)

(どちらの依頼も、二人を窮地に陥らせるものだ。
間違えば二度と、日の目を見ることは、出来ない。)

(失敗は、死を意味していた。)

『どれ程、敵を欺けるか。』

『時間を稼ぐことが出来るか。』

(全ては、二人の腕に掛かっていた。)

***

(ホテル・グランド・ベイから車が出ると同時に。
国会議事堂の本会議室の中へ。)

(伝言を運ぶ者が居た。)

「滝川様。」

(秘書が、議席に着席している、滝川に声を掛けた。)

(滝川は頷き、伝言を受け取った。)

ガタッ

パチパチパチパチ

(一瞬浮かぶ、滝川の表情を隠す様に、石垣の演説に、
周囲の者は、賛同の意を込めて、立ち上がり。 壇上の石垣に、拍手を送った。)

(滝川自身も立ち上がり。 石垣を称賛し、強く拍手を送った。)



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