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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-34


(鋭い視線は、前を見ていた。)

***

『幕が上がる。』

(反町も、湊吾もまた。 同じ方を見ていた。)

***

(ソラは最後に、夏樹の部屋のドアを開き。
レースのカーテンを開き。 窓から光と、海風を、
部屋に入れた。

「よし。」

「ふぅ・・。」

(ソラは、部屋を見渡し。
机の上や、壁のボードに残る、夏樹の気配を感じた。)

「計画通りなら、もう。

動き出したはずだ。」

(ソラは窓を背に、水色の瞳を輝かせた。)

(夏樹は、もしもの時、
この場所を、ソラに託していた。)

(机の上には、散らかったままだが、
FOTの資料。 夏樹が読み取った、“闇”の情報。 手がかり。)

(そしてボードには、皆で撮った思い出の写真が、幾枚か、
資料と共に、鮮やかに飾られていた。)



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