HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-37
(桜の絵に、描き出された夏樹への想いに。
紫苑自身が励まされた。)
「おう!」
(ソラは頷き。 赤く、涙に光る、紫苑の瞳に。
鼓舞される思いがした。)
「いいか、皆。」
(ソラの掛け声に、ミイとピュア。 佐織とチイも、
夏樹の部屋の中へ。 輪になって集まった。)
(幻影を、払う様に。 明るく微笑み。
ソラは、皆の中央に。 計画を示した図を、広げた。)
「よし。」
「作戦会議だ。」
(聖の残した、空間通路は、いつ消えるとも知れない。)
(目的の議事堂に、通じることが出来るか。 “闇化”は止まっているのか。)
(能力者が足を踏み入れることの出来ない場所へ。 人知れず、
救いの手を送らなければならない。)
「静乃さんが、彩さんからの話を元に。」
「夏樹の居場所へ通じる道を探し出す。」
(ソラは、水色の瞳で、駆と春人を見つめ、声をかけた。)
「同時に、晃さんから聞いた、海外からの客人を。 風見市へ通す。」
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』