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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-41


「行こう。 夏樹を取り戻すぞ。」

(ソラの手に、春人、駆、佐織、チイ、ミイ、ピュアが
手を重ね、輪になった。)

「うん!」

(最後に紫苑が手を重ね。 皆の手が、中心に
一つに集まった。)

「紫苑ちゃん。」

(ミイは瞳を潤ませ、紫苑の隣に立った。)

「「おお〜!」」

(皆は合図と同時に、繋いでいた手を高く、掲げた。)

ダッ・・

(皆はそろって、部屋を出かけた。)

(開け放たれた窓から、海風が、夏樹の部屋のレースのカーテンを揺らす。)

(輝く光が、部屋に射し込み。
皆の背中を見送った。)

(光は、紫苑の髪を輝かせ。
部屋に残る、ボードに飾られた、皆の笑顔と、夏樹の笑顔を
照らし出す。)

「はぁっ・・。」

(駆けて行く、紫苑の胸ポケットには、
青葉の“時の欠片”が、仕舞われていた。)



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