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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-50


(彩は、絞り出すように告げた。)

「・・!」

(彩は、赤いネイルの指先で、剛の頬に触れ。
剛は、彩に応え、その手を握った。)

『それにね静乃。

“呪い”は、“愛の魔法”には敵わない。』

(二人は強く口づけた。)

『どんな物語もそうでしょう?』

(彩の胸に、呪いは流れ続けた。 それでも、
彩の時は動き出し。)

(立ち止まっていた彩は、剛への想いに、
目覚め、自分の道を取り戻した。)

『それは、私の人生も同じ。

愛は、全てに勝るの。』

***

カタンッ

(真は、眠れずに、一晩中ベッドの上で、絵を描いていた。)

「描けた・・!」

(言葉では上手く伝え切れない。 真は、昨夜見た、怪物のことを。
両親に伝えようとしていた。)



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