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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-51


「パパ・・。 ママ・・。」

(真は寝巻のまま、スケッチブックを抱き締め。
二人のいるリビングにやって来た。)

(真の母、雫は。 真の様子を見て、
遊びに行けないことに、がっかりしているのだと思った。)

「ああ、まこちゃんごめんね。」

「パパは、今日お仕事になったの。」

(身支度を整える父に、母は付き添っていた。)

「真。 ピクニックは、また今度だ。」

「良い子にお留守番していなさい。」

(父の一は、起き出して来た真に微笑んだが。)

(笑顔は束の間、緊迫感と疲労に包まれていた。)

「パパ・・っ。」

「遊園地が・・。」

(真は、必死に訴えようとしたが、一は、分かっているとばかりに、
真の頭を撫でた。)

「ひどい嵐だったからね。」

「動かないアトラクションがあるが。」

「直に、元に戻るよ。」

(一は、嵐の被害を受けた、遊園地を。 再開させることに懸命だった。)



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