HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-56
(花子は、自分たちしか知らない、摩訶不思議な出来事に
遭遇したことを、実感し。 強く瞳を輝かせた。)
「わたしたちしか知らない。 世界を見たの。」
(花子の胸は、恐怖と緊張で、高鳴った。)
***
「ん・・。」
(晴は、遊園地の入口、門の前に立ち。)
(信じられない面持ちで、頭上にそびえる、観覧車を見上げた。)
「直ってる・・。」
「信じられねー。」
(晴はしばらく、口を開き。 天を仰ぎ続けた。)
「(すぅ・・。) 夢じゃねー。」
(晴は、小さな肩に背負う、鞄を持ち直した。)
(鞄には、もしもの為に、非常グッズを詰め込んだ。)
「親父が動いてる・・。」
「ぜってー、何かある。」
(晴は、先程の、家での出来事を思い出した。)
***
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