HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-58
(勝はその様子を、嬉しそうに見つめ、ニヤニヤした。)
「がっ・・! ふざけんなてめぇっ!!///」
「だれがあんなっ、ぱこみてーなやつっ!」
(晴は、顔を真っ赤にし。 牛乳をこぼしながら、
勝に一つコップを叩きつける様に差し出した。)
「お、サンキュー♪」
(図星を言い当て、勝は満足気に、美味そうに牛乳を飲み干した。)
「(ごくっ ごくっ)違うのか? じゃあもう一人の。」
「お嬢様か?」
(晴は、顔から湯気を出し。 勝を睨んだ。)
「・・状況見ろよ。」
「まことオレが釣り合うわけねーだろっ。」
(晴は、自身も牛乳を飲み干し。 傷ついたように、声を潜めた。)
『おっと・・。』
『そっちが本命か。』
(勝は、ひげに牛乳の跡を残し、ニヤリと笑うと、乱れた頭を掻いた。)
「違いね〜・・。」
(男二人の部屋は散らかり、むさ苦しかった。 積み上げられた、勝の仕事の資料に、
怪しげな写真。 黒ずむ原稿。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』