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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-59
(二人もまた、明るいとは言えない場所に、身を置いていた。)
「へ〜・・、二股か。」
「やるな!」
(それでも、勝の明るい性格が。 晴を寂しがらせなかった。)
(どんなに遅くとも、必ず一度は家に帰り、晴の顔を見た。)
(晴もまた、父親を嫌いと言いながら。 一心に仕事に向かう姿勢は、
認めていた。)
(勝は、自分を気遣い。 不機嫌ながらも、牛乳を差し出してくれた晴に。
愛しさが込み上げた。)
「てめぇと一緒にすんなや!」
(晴は呆れて、視線を逸らした。)
「良いネタが上がったんだよ。」
(勝は言うと、鞄を担いだ。)
「ネタ・・?
どうせうさんくせー、ネタだろ。」
「三流の雑誌、誰が信じるんだよ。」
(晴は、勝が危ない事件を追っているのを知っていた。)
(勝を信じていないわけではなかったが。
危ないことをしてほしくない。)
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