HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-64


「まこっ!」

(三つ編みの、豊かな髪を揺らし。
大きな眼鏡の奥の瞳を輝かせ。 花子は、真を呼んだ。)

「ぱこちゃんっ!///;」

(真は、ドキドキし、迎えに来てくれた花子の手を両手で掴んだ。)

「はれくんっ!」

(真は、後から来た晴の、無事な様子を見て、
ほっとした。)

「よっ。」

(晴は、長い前髪の間から、ちらりと真を見て。
そっけなく挨拶した。)

「よっ。 じゃないよ。」

「まこちゃん、すごく心配してたんだからね!」

(晴の隣で、花子は、怒って見せた。)

「・・ぱこだって、偵察して来いって言っただろうが。」

(晴は花子を睨んだが、花子の眼鏡の奥の瞳が、
期待に輝き。 自分を真剣に見つめる、真の顔を見て、
肩の力を抜き。 首に掛けたカメラを掲げた。)

「撮って来たよ。」

「元通り。 遊園地は、元に戻ってた。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ