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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter104 『風の声』 104-68
(勝の心が、チャンスが来たと。 高鳴っていた。)
「滝川・・?」
(反対に、誠司は警戒し。 体勢を整え、足元を踏み締め。
青木と呼ばれた男を見つめた。)
(自分たちを、違法な者として、排除しに来た可能性もある。)
(だが、議事堂の内部を知る者であれば、夏樹の情報を聞き出したい。)
「夏樹君に会わせてください。」
(誠司が言い終わる前に、青木は、誠司を制止するように、
手のひらを、誠司に向け。 言葉を遮った。)
「・・正面から。 連れ戻すことは、危険です。」
「地下へ。 “道”が通じるのを、待つしかない。」
(青木の表情は硬く、真意を読むことは、難しかった。 だが、
その目が見つめるものは、ゆるぎなく。 誠司は、青木は信じられる人物だと感じた。)
「だが、地下牢は。 人間でなければ、踏み込めない場所だ。」
「春日誠司殿。 村木勝殿ですね。」
「お二人には、扉を開く役目をお願いしたいと。」
「滝川先生が申しております。」
(誠司は瞳を開いた。 罠である可能性はある。 だが、誠司の心と身体は、
それを求めていた。)
「息子を救い出したい。 私に出来る事ならば。」
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