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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-69


(青木は頷いた。)

「内に眠っているのは、“闇”を抱えた魔物です。」

「牢獄の扉を開いて、あなたが無事で居られる保証は無い。」

(誠司は、自らが選ばれた理由を思い、眉根を寄せた。)

「彼がどのような状態であろうと。 親であれば、警戒を解くだろうと。」

(青木のその言葉に、誠司は首を振った。)

「夏樹君は、そんなことにはなりません。」

「彼は、自分を見失ったりしない。」

(青木は、首を振って詫びた。)

「失敬。 能力者の暴走は、能力者自身に、問題があるのではない。」

「適切に対処し、コントロールすることが出来れば。」

「人間と同じだと。 我々は考えています。」

(青木は、誠司を見つめた。)

「人間にしか出来ないことがあります。」

(誠司は、覚悟を決め、頷いた。 勝も続けた。)

「俺も、行こう。」

「戦場は、得意だ。」

「この目で見て見たい。」



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