HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-71


(花子は、紅潮した頬で、笑い。
二人を招き入れると。 玄関のドアを閉じた。)

「あがって。」

「今日うち留守だから。」

(花子は自室のドアを開き、小さな丸テーブルの周りに、
輪になって、三人は座った。)

「ニュースになってなかったね。」

「遊園地のこと。」

「・・女の子のこと。」

(花子は、昨日のことを書き留めた、ノートを
テーブルの上に出し。)

(真剣な瞳で、二人を見た。)

「・・・。」

「あれは、夢だったのかな。」

(真が、そうであったら良いと願いを込めて、囁いた。)

「人が消えちゃったんだよ。」

(花子は、夢じゃないというように、首を振った。)

「神隠し。」

「怪物の仕業かな?」

(花子の目が、鋭く光り。 ペンを握った。)



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