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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-74


(こちらに手が回ったことは、おとりになると言う目的に、
効果が出始めたということだ。)

「・・予定より早いな。」

(沙羅は、涼しい車内で。 窓に反射する、夏の日射しに目を細めた。)

チリンッ・・

(沙羅のイヤリングが、音を立て、眩しく光った。)

「まだ、“道”は探せまい。」

(湊吾は、端末を操り。 沙羅の言葉に頷いた。)

「ええ。」

「苦戦しているようですね。」

(湊吾は素早く端末を操作し、現在の警察の配置と。
FOTが能力者を連れ戻す道を、探索している様子を、見た。)

「湊吾様。」

(反町は、意識を集中し、湊吾を見る。)

(運転手が、ミラー越しに、後ろを見た。)

「坊ちゃま。」

「ルートを変えることは、出来ません。」

(列をなす車は渋滞し。 警察に誘導され、後ろに引き返すことは出来ない。)

「ふぅ・・。」



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