HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-75


(沙羅は、透明な花の髪飾りを揺らし。
息をひそめ、後部座席で目を細めた。)

ピーッ ピーッ

「間に合うか。」

(湊吾の長い指先が、端末を操作し、各地点に居る者へ、
指示を飛ばした。)

ピーッ ピーッ

(一台一台と、検問は近づき。
湊吾たちを乗せた車の、数台前の車が、警察に取り囲まれている。)

(おとりになることが、もう一つの湊吾たちの目的である以上。
情報が漏れることは、計画の内だ。)

(だが、予定より早く。 追手が放たれたことは、
敵にも、情報に通じている者がいると感じた。)

『穏便に、事は済ませたい。』

「計画通りに。」

(湊吾は画面を操り、指示を送り届けた。)

(灰色の瞳の中に、輝く緑が、画面を見つめ光る。)

ピーッ

「ご協力お願い致します。」

「車内を確認させて頂きます。」

(湊吾の前の車両が、警察に囲まれ、同時に検問には、増員のため警察車両が到着した。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ