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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-8


「“闇化”はしない。」

「そんなに、やわでは意味が無い。」

(滝川の目前には、巨大な、本会議室へと続く。
扉が姿を現した。)

「あの者が、育てた意味が。」

「憎しみと、欲望の中にあっても。」

「砕けずに、“時の欠片”を“闇化”させる。」

(踏み締める絨毯の上に、シャンデリアが灯る。)

「“闇化”を引き起こしながら。」

「自らは、決して、“闇”に染まらぬ者。」

「それが、我々に必要な者。」

(議場を前に、集まる幾人もの男たちの上に、
ぎらぎらと熱を持つ灯りは、熱気を表していた。)

「それこそ、“鍵”に相応しい。」

「それを、我々が、生み出すのだ。」

「“鍵”の力を、“鍵”自らコントロール出来るようになる。」

「それが、我々の望みだ。」

(滝川を迎える者たちが、列に成り。 扉の左右に集っていた。)

「“鍵”の力を手に入れる? 愚かな。」



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