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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter104 『風の声』 104-82


(滝川は、誠司に対し、最大に礼を持って、
接した。)

「だが、我々の話を聞いて頂きたい。」

「“革命”には、協力が必要だ。」

(滝川の言葉は、力強く。
必ず成し遂げるという覇気が、宿っていた。)

「・・・。」

(誠司は、戸惑いながら、頷いた。)

(計画を成功させるには、誠司を味方につける必要がある。
今後も、夏樹をコントロールするために、誠司の存在は、大きいと、
滝川は思っていた。)

(誠司はまだ、滝川を信じ切ってはいなかった。)

(滝川は、能力者へ理解を示している。
だが、本心なのか。
あくまで、それは、政治の駒に過ぎないのではないか。
強大なその力を、利用しようとしている。 一人に過ぎないのではないか。)

「聞きましょう。」

(誠司は、表情を崩さず、告げた。)

(滝川は、その言葉に、感謝する様に、表情を和らげ。
片手を広げ、テーブルに誘った。)

「時間は、ありません。」

(誠司の危機感は、変わっていなかった。)



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